アレルギー

2025年スギ花粉症について

スギ花粉症(以下、花粉症)は、スギの木から飛ぶ花粉が原因で発症するアレルギー性疾患です。スギ花粉が鼻や目の粘膜に触れると、体が「これは異物だ」と勘違いし、過剰に反応してしまいます。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった不快な症状が出現します。これらは日常生活に支障をきたすことが多く、特に春先に多くの人が悩まされています。

今年2025年の春、広島県ではスギ花粉の飛散量が昨年の約8倍に達すると予測されています。これは過去10年間で最多になる見込みです。この理由として、昨年は気温が高い時期が長く日照時間も長かったことが挙げられます。スギの木は、暑くて日照が十分な年に花粉を多く作りやすくなるため、今年は特に注意が必要です。

花粉症の症状を軽減するためには、早めの対策がとても大切です。症状が出始めてから治療を始めると、すでに体内にアレルギー反応が強く起こっているため、薬の効果が現れるまで時間がかかる場合があります。そのため、花粉が飛散する前、または症状がまだ軽い段階で治療を開始することをお勧めしています。

治療の方法として、最も一般的なのは抗アレルギー薬の服用です。これらの薬は、体のアレルギー反応を抑える働きがあり、症状の悪化を防ぎます。ただし、薬が効果を発揮するまでに1~2週間ほどかかることが多いので、症状が出てからではなく、早めに飲み始めることが大切です。また、花粉症の症状を根本的に抑える方法として「舌下免疫療法」も注目されています。これは、花粉のエキスを少量ずつ舌の下に投与し、体を徐々に慣れさせてアレルギー反応を軽減する治療法です。ただし、この治療は数年単位の時間が必要なため、早期に相談する必要があります。また、舌下免疫療法は花粉が飛散している時期には開始できないため、早くても5月の連休明け以降での開始となります。

さらに、日常生活でもできる対策を取り入れることが重要です。例えば、天気予報などで花粉情報を確認し、花粉の多い日は外出を控える、外出する際にはマスクやメガネを着用することで花粉の侵入を防ぎます。また、帰宅時には家に入る前に衣服や髪についた花粉をしっかり払い落とし、家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。

花粉症は完全に治すことは難しいですが、適切な治療と対策を取ることで症状をかなり軽減することができます。今年は特に飛散量が多いため、症状が軽いうちから早めに病院で相談し、治療を始めることが重要です。健康で快適な春を過ごすためにも、計画的な準備を心がけましょう。

せきもとクリニックでは、花粉症の検査・治療や舌下免疫療法も行っております。ご自身やご家族の症状でお悩みでしたら一度お越しください。

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